BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

冬の蓼科、山の稜線が美しい

母の他界後、山小屋BFCの様子見に2か月ぶりに数日間の予定で蓼科に出かけた。冬場に長期間山小屋を留守にするのは初めてなので、思わぬ凍結トラブルを心配していたがキッチンの排水トラップ以外に大きな問題はなかった。ただ排水トラップも想定内で不凍液の注入で解決できることが分かったため、早々と今回の目的は終わってしまった。そこで、時間に余裕もできたので久しぶりに写真を撮ることにしたのである。

滞在の数日間は快晴に恵まれ、冬の蓼科ならではの星空・夕陽・雲海を楽しむことができた。蓼科に住んで思うのは、冬の澄んだ空にくっきりと見える山々の稜線が美しいこと

茅野市豊平から見た八ヶ岳の稜線

である。それもそのはず、アルプスや八ヶ岳など憧れの山々を真近に見られるからである。山の稜線を眺めていると、自然と山の名前が知りたくなる。名前が分かると愛着も湧いて来て、益々山が好きになり登ってみたくなる。右の写真の八ヶ岳で言えば、初級者の私だが既に半分は登っている。今回は、山登りしないが山の稜線写真は幾つか撮ったのでそれについて紹介しよう。

 

星空と山の稜線美

星空撮影は天体観測ではないので、単に星空だけ写しても面白くない。当然のことながら、どこから眺めた星空かが想像できる方が面白いと思っている。そこで、比較的特徴のある山の稜線をランドマークとして入れるように工夫している。短期の天気予報を見て撮影日を選び、さらに「スパコンが決め手の天気予報」で紹介したGPV気象予報で、雲の量を詳しく予想して撮影対象を決めた。

今回は、オリオン座が東の空に登って来るところを撮ることにした。但し、この日は半月が明るいので、月の出までが撮影チャンスである。撮影場所には八ヶ岳の稜線とオリオン座が綺麗に見える豊平地区を選んだ。ここは私が八ヶ岳の定点観測地として選定している場所でもある。撮影時間は、オリオン座が東の空に顔を出す19時頃から月が昇る23時頃までの数時間である。これをタイムラプスで撮ることにしたのである。

この頃の東の空は明るい星が多いので、赤道儀は使わずソフトフィルターを使用することにした。その代わりISOは6400と明るめにし、シャッター速度は15秒と短くして星が線形にならないように工夫した。寒さ対策としては「冬の蓼科、星降る夜に」で紹介したように、レンズ筒にはよこたのヒーターを装着し、カメラの電源はCanon バッテリーグリップ BG-E18を使って電池を2個分使用できるようにして撮影した。

山の稜線美が際立つマジックアワー

実は、山の稜線は日没後が最も美しいと言われ、この時間帯のことをマジックアワーと呼ばれる。しかし、この時のシルエットだけで山の名前まで言い当てるには、よほど特徴がある山でないと難しい。蓼科から最も良く見えるのは中央アルプスと南アルプスである。今回、横谷展望台にて日没からマジックアワー30分間の山の稜線美を撮影した。西に位置する中央アルプスは逆光になるので、山は黒、空はオレンジに染まり、山の稜線が際立って見える。空や雲は太陽との位置関係により、オレンジや灰色や青色に変化し思わぬ幻想的な景色を作りだしてくれる。これが時間とともにどんどん変化する様子を見ていると、本当に心癒される。まさにこれがマジックアワーと言われる由縁であり、山の稜線が最も美しく見える瞬間であると思っている。幾つか日没から順に掲載しよう。

夏は晴れても山には雲がかかっていることが多いので、このような山の稜線美を見られるのは稀である。しかし、冬は空気が澄み雲も高いので、晴れれば殆ど美しい山の稜線美を見ることができる。冬は気候は厳しいものの、眺望が素晴しいと言う魅力があるので私は好きな季節である。もう少しすると山は真っ白になり、また違う景観が観られるのである。

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