BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

メルヘン街道の雪中散歩

1月8日に今年一番の積雪があり、山小屋BFCでも一晩で20㎝近く積もった。お蔭で辺り一面の雪景色に、ちょうど連休で遊びに来ていた孫たちは大はしゃぎで雪ダルマづくりに興じたのである。数日後、雲一つない素晴らしい天気になったので、折角の今回の雪景色をまだどこかで楽しめないかとの気持ちが湧いて来た。そこで、通行止めになっているメルヘン街道ならきっとまだ新雪が残っているのではないか、そこなら冬山装備がなくても気軽に雪中散歩を楽しめるのではないか、と思い立ち早速出かけてみたのである。

メルヘン街道は、11月から4月まで千駄刈自然学校から八千穂高原までの区間が、全面通行止めになる。その中間にある麦草峠の麦草ヒュッテの雪上車だけが、この間通行を許可されている。千駄刈まで行ってみると通行止めゲートの向こうにはしっかり新雪が残っていたが、その真ん中には2本の車輪跡ができていた。これならスノーシューでなくても容易に歩けると思い、スノーブーツで日向木場展望台までの2時間程度の散歩を楽しむことにした。

往き(日向木場展望台まで)

通行止めゲートの先は、おおかた少し雪が解け始めてまた固まった状態でサラサラとは言えない。スノーブーツでは雪が重く靴の中に入ったりもするので歩き辛い。これでは私の体力では日向木場までも持たないかもしれない。そこで歩き易い車輪跡の轍を歩くことにした。意外に轍の幅は狭く平均台の上を歩くようなもので、時々バランスを崩して新雪に足を突っ込みながら歩くはめになった。それでもそれには直ぐ慣れて木漏れ日の綺麗な景色や、樹氷がキラキラ輝く様子を撮影しながら展望台を目指した。30分もすると結構体力を使ったので、身体も暑くなりシャツ1枚でも汗をかきそうな状況になって来た。車輪跡は、良く見ると鹿の足跡や、距離スキーの跡や、ストックの跡が付いている。私の前にも何頭・何人かが通ったのであろう。幸い、熊はこの辺りでは見かけないのと、今の時期は冬眠中なので心配ない。幾つかのカーブを曲がりながら、きつくない斜度の道路を道草しながら1時間近くで展望台に到着したのである。

日向木場展望台

この展望台からは、八ヶ岳と南アルプスはよく見通しが利くが、その他は木が邪魔してそれほど眺めは良くないのである。もうあと数本の木を切ってくれれば、270度見渡せる素晴らしい展望台になるのだが、国定公園内とあって行政の腰が重いのである。それでも冬場は木が枯れるので少し見通しが利き、今日のような快晴の日は中央アルプスや車山が綺麗に見える。しかし高台なので手袋を外してカメラをセットしていると直ぐに手が悴んでくる。やはり標高1900mの冬山であり、太陽が射さなければ極寒の地で侮ってはいけない場所なのである。

帰り(千駄刈自然学校まで)

往きはあまり登りがきついと感じなかったが、帰りは下りなので足が軽い。往きに新雪に嵌ると重いと感じたのは、実は登りだからだと今更ながらに気づいたのである。帰りは、往きと目に入る風景が違うので往復でも飽きることは無い。結構、山が見通せる場所が下りの方が多いことに気づいた。丸山方面の中腹が真近に見えたり、蓼科山や北横岳も歩きながら見ることができる。小走りならトレイルランも楽しめるくらいの下りであるが、尻ゼートができるほどの斜度がないのは残念である。それでも帰りはあっと言う間に千駄刈のゲートに着いた感がある。冬場は休校になっている自然学校の中に入って見ると、北横岳と縞枯山が真近に見える。今度はあそこに登って見たい。

何度もここへ来たことはあるが、雪が積もった北八ヶ岳をここから見るのは初めてである。やはり冬の蓼科は素晴らしいと、改めて感動したのである。

 

今回は往復2時間半あまりもかかったが、これは何シーンものタイムラプス撮影しながら歩いたためである。散歩だけなら1時間間半で往復できる距離である。雪が降った後の晴れた日にまた樹氷を見に出かけたいものである。そのタイムラプスをまとめた動画を作成した。これが皆さんの雪中散歩の参考になれば幸いである。

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