BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

STEP Photo Contest 2018

住友不動産主催のフォトコンテスト応募作品 ・・・ 毎年、2月から5月にかけて開催される住友不動産のフォトコンテストに応募した作品。テーマは毎年同じで「日本の風景」。このコンテストは、プロ・アマ参加の大規模なもので、私としては3回目の挑戦である。過去2回に比べて、やっと応募作品らしくなったのでフォトブックに掲載することにした。写真のタイトルとコメントに作者の意図を込めたので、参考にしてもらえれば幸いである。

<1> おとぎの国(上田市美ヶ原)・・・ メルヘン街道が冬期通行止めになると、この横谷展望台に訪れる人はいなくなる。しかし、真冬の方が遥か遠くのアルプスは澄んで美しく見え、山は頂が白く際立ち存在感を増す。ここは、晴れた日に散歩に来る私のとっておきの癒しの場所である。ここから白い山々を眺めていると、ちっぽけな患い事が馬鹿らしく思え、心も晴れて元気になれる。真冬になると、この展望台はまさに私だけの眺望絶佳な空間になってくれる。

 

 

<2> 霧氷へ(茅野市蓼科高原)・・・ 降雪後の快晴の日、車山湿原をトレッキングした。正面の蝶々深山から湿原に降りてきてふと振り返ると、自分が付けた足跡が雪面に一筋の道になっていた。まるで私の人生の足跡を振り返っているような感動が湧いて来た。少し前に現役を退きこの地に移り住んだ私は、ちょうど丘の上からこの湿原に降り立った所と言えよう。この湿原は周囲を丘に囲まれ、外界から分離された独自の自然界に包まれている。それが第二の人生を歩み始めた私の姿と重なり、ふと高村光太朗の道程「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」が思い出されたのである。

 

 

<3> 白い森(茅野市丸山付近)・・・ 八ヶ岳山中の高見石周辺には、シラビソの深い森がある。シラビソはモミ科の木で、雪が積もった樹氷の姿はクリスマスツリーそのものである。八ヶ岳山中の登山道では、こんな樹氷に囲まれた鬱蒼とした白い森の景観を良く目にする。夏場なら単調な樹林帯も、冬場にはこんな素晴らしい白い森の姿に変わる。誰もが北欧の森の中を歩いている様な気分になる事、間違いないであろう。

 

 

 

<4> 白変化(茅野市賽の河原)・・・ ここは奥蓼科・横谷峡に流れる渋川の源流で、八ヶ岳の丸山と中山の間に位置する賽の河原である。夏は荒涼とした岩だらけの殺風景も、冬に雪が降ると一変する。尾根付近の木々は樹氷となって白く輝き、黒い岩も白い綿帽子を被って白化粧し、八ヶ岳ブルーと見事に調和した美しい景観に様変わりする。こうなるともう誰も、ここが賽の河原と呼ばれる場所である事を忘れてしまうのである。

 

 

 

<5> 安息の岸辺(岡谷市南宮)・・・ 数年に一度の割で諏訪湖は全面凍結するが、この横河川河口の岸辺だけは凍結することがない。コハクチョウは本能的にそれを知っているのか、広い諏訪湖の中でも毎年この場所を選んで飛来する。湖面が凍結するような厳しい冬でも、ここでは必ず餌にありつける。つまり、ここは水鳥たちにとっての絶対安息な特別な場所。今年の冬は5年ぶりに諏訪湖が全面凍結し御神渡りが出現したが、やはりここだけは凍ることが無かったのである。

 

 

<6> 私の道(諏訪市車山湿原)・・・ 降雪後の快晴の日、車山湿原をトレッキングした。正面の蝶々深山から湿原に降りてきてふと振り返ると、自分が付けた足跡が雪面に一筋の道になっていた。まるで私の人生の足跡を振り返っているような感動が湧いて来た。少し前に現役を退きこの地に移り住んだ私は、ちょうど丘の上からこの湿原に降り立った所と言えよう。この湿原は周囲を丘に囲まれ、外界から分離された独自の自然界に包まれている。それが第二の人生を歩み始めた私の姿と重なり、ふと高村光太朗の道程「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る」が思い出されたのである。

 

 

<7> 眺望絶佳(茅野市横谷峡)・・・ メルヘン街道が冬期通行止めになると、この横谷展望台に訪れる人はいなくなる。しかし、真冬の方が遥か遠くのアルプスは澄んで美しく見え、山は頂が白く際立ち存在感を増す。ここは、晴れた日に散歩に来る私のとっておきの癒しの場所である。ここから白い山々を眺めていると、ちっぽけな患い事が馬鹿らしく思え、心も晴れて元気になれる。真冬になると、この展望台はまさに私だけの眺望絶佳な空間になってくれる。

 

 

<8> 日課(茅野市蓼科高原)・・・ 初秋の高原の山荘のバルコニーには、毎朝のように二ホンリスがやってくる。鳩の器で水を飲み、あわよくば小鳥の餌のヒマワリの種を食べつくす。残念ながらこの日は水だけ飲んで帰って行った。これは彼の毎朝の日課なのである。でも、木の葉が枯れ落ち厳しい冬が来ると、いつしかこの日課も無くなってしまうのが私には残念である。

 

 

 

<9> ひとりの秋(茅野市横谷峡)・・・ ここは蓼科高原では色付きが遅いカエデの並木道。少し時期外れに色付くため、見頃のころには訪れる人が殆ど居なくなっている。こんなにも素晴らしい景観を独り占めできるのは、人里離れた高原の奥で生活していればこそであろう。ひとり静かに紅葉を楽しめるのは、自然を愛しここに棲み付いた者への、ささやかなご褒美に違いない。

 

 

 

<10> 秋下る(富士見市立沢)・・・ 八ヶ岳の紅葉は、9月下旬から1か月半かけて山の上から人里まで下りてくる。ここ八ヶ岳の南山麓にある富士見町の里山も、ようやく色づき始めてきた。またこの頃、八ヶ岳の山頂では雪が降り白くなり始める。一方、山の中腹ではカラマツが茶褐色に紅葉し輝いているが、もうすぐ見頃が終わる。ここは、そんな秋が山から里に下る様子を教えてくれる場所。雄大な八ヶ岳の景色は、いつも移り変わる季節を私達に教えてくれている。

 

 

<参考:撮影場所マップ>