BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

皇居マラソンのご法度

先日、大学時代の親友らと久しぶりに東京で飲み会をした。この為だけに茅野から1泊2日で東京へ出かけた。それだけ気の置けない楽しい仲間達である。でも折角なので皇居近くにホテルを取り、最近遠のいているマラソン練習もすることにした。この3月、3度目の名古屋シティーマラソンに出場するので、そろそろ練習開始をと考えていた矢先でもあった。皇居を走るのは二度目であり、日本で最も有名で人気のあるマラソン・コースである。

 

ホテルは前回と同様、皇居に近い半蔵門のホテルを取った。ホテルから皇居までは2ブロックと近く、内堀り通りに出ると目の前が半蔵門である。1周、約5Kmなので2周を走る予定でスタートした。この日は平日なので走っている人はまばらである。走り始めるとマラソンランナーに向けた注意を促す看板が目に止まった。ここはマラソン専用道路ではないこと、歩行者が優先であること、グループで走るときは1列になること、勝手にマラソン競技を開催しないこと、などなど。前回の2年前に走った時には、こんなにもマラソンランナー向けの看板があったとは記憶してない。但し、たまたまネットで「皇居は反時計回りで走るのがルール」と言うブログを見つけ、念のため半時計回りで走ったのは記憶にある。何れにしても、ここまで注意書きをするのは、よほど行政も困ってのことであろう。

 

1Km過ぎて桜田門をくぐり皇居前広場に出て来た。二重橋方向の道に入ろうとして、また妙な立て看板が目に留まった。「これより先、ランナーと自転車は侵入禁止」と言うものだ。ここまで看板を立てられると、ちょっと嫌な気分がしてきた。よっぽどランナーのマナーが悪く、走らない人から見たら迷惑な存在なのかもしれないが、走っている人全員が悪者のような印象を与えてしまう。これまで走っていて、ランナーを応援してくれる空気は感じることがあっても、嫌がられる空気は感じたことはない。休日に走ったことがないので想像できないが、平日だと看板とのギャップがあり過ぎて、ちょっとやり過ぎではないかとさえ思ってしまう。

2016-02-04 08.33.59

二重橋前の広場(歩いては通行できるが走っては通行できない)

そんな看板を横目で見ながら走っていると、お堀に1羽の白鳥がいた。横を通っても驚かないので、この場に慣れた鳥なのだろう。他にも色々な鳥の鳴き声がする。都会にあっては鳥が住める樹木多き場所なのだと改めて思う。ニューヨークのセントラルパークのように皇居全体を公園にして市民開放し、皇居は別の場所に移すと言う考えは無いのであろうか? バッキンガム宮殿にしても、ホワイトハウスにしてもこれだけの広大な面積はない。セントラルパークはマラソン、自転車、散歩する人が思い思いに使い易いように設計され整備されている。文字通りの憩いの場になっている。行政も看板を沢山立てることばかりでなく、どうしたら市民の憩いの場にできるかをじっくり考えてもらいたいものである。

この日は、身体は快調で殆ど疲れもなくマイペースで進むと、気象庁前と書かれた交差点に差し掛かった。地下鉄の入り口には竹橋と書いてあるので、ちょうどコースの半分を過ぎたところに差し掛かった。これを過ぎると、確か長野県の県花すずらんの銘盤が道路に埋めた場所に来るはずである。皇居周りの歩道には47都道府県と東京23区の花が銘盤になって埋められている。この辺りは通勤で皇居側の歩道を使う人も多いので、下を向いていて歩いている人にぶつからないように気を付けて走っていると、山梨県の次に長野県が現れた。北の丸・乾門の近くであり、ゴールはもうすぐである。道路を右に渡ると千鳥ヶ淵、左に進むと半蔵濠で半蔵門が見えてくる。この内堀りは両方とも深く広く、何と言っても眺めが良い。

春になると桜が満開に咲く桜の名所で、堀にはボートも浮かぶ。これぞまさしく市民の憩いの場であり、市民に好かれる皇居の一面ではないかと思われる。各人の自発的なちょっとした気遣いとマナーがあれば、何も目くじら立てられることもなかっただろう。少なくとも自分はそんな人でありたいし、お互い迷惑かけず自由に楽しく走りたい。

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2 thoughts on “皇居マラソンのご法度

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