BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

春の陽射しの雪山トレッキング

2月29日の4年に一度のうるう日、まとまった降雪があり八ヶ岳の山々も白銀の世界を取り戻し、蓼科ビレッジからも山頂付近の霧氷が見て取れるようになった。こうなると矢も楯もたまらず、スノーシューを持って白銀の世界へと出かけたのである。そこで、幸運にも「哲学の木」は亡くなったが「ホワイトクリスマスツリーの木」を新発見したのである。

※全ての写真はクリックすると全画面で見られます。

ここ蓼科高原は、例年3月下旬まで雪が残ると言われているが、今年は2月中旬の雨で早くも消えてしまった。やはり今年は暖冬なのであろうと、すっかり諦めていた矢先であった。たった1日のまとまった降雪で白銀の世界を取り戻し、その機を逃さず直ぐ出かけられるところが地の利と言うものであろう。これがあるから極寒の地での一人暮らしはやめられない、と改めて実感するのである。

出かけたのは、兼ねてからスノーシューを試してみたかった縞枯山である。コース全体に渡ってタイムラプス撮影をしたが、ここではそのトレッキングの様子を写真中心に紹介する事にしよう。ルートは山小屋BFCにほど近い北八ヶ岳ロープウェイを利用し、坪庭を起点に雨池峠、縞枯山、茶臼山、大石峠、出逢ノ辻、五辻、坪庭と右回りに周遊するコースである。約6時間の行程になる。

登山マップ

坪庭から縞枯山荘を通って雨池峠

坪庭は普段のゴツゴツした溶岩の岩原ではなく、滑らかで平らな雪野原になっている。それを過ぎるとモミの木の樹林帯が現れるが、道は平坦でスノーモービルの跡もあり踏み固められて歩き易い。ホワイトクリスマスツリーの木はこの途中で見つけたのである。暫くすると、視界が開け冬期も営業している縞枯山荘が見えてくる。残念ながらこの日はお休みであった。この辺りは八丁平と言う熊笹が茂る野原に木道があり、ロープウェイを使えば誰でも来られる場所である。

ここから北に雨池山(2325m)、南は縞枯山(2403m)で、何れも霧氷に覆われた樹林帯が見える。太陽に照らされキラキラ光る霧氷、青い空、白い雪野原、見事なコントラストの景色である。ロープウェイの山頂駅から僅か30分足らずで別世界になる。雪野原の一番奥まで行くと雨池峠があり、雨池山、雨池、縞枯山への分岐点になっている。

 

雨池峠から縞枯山山頂を目指して

雨池峠から南に進むと直ぐにモミの木の樹林帯が現れ緩い登りになる。すっかり雪に覆われたクリスマスツリーが両側に迫る細い登山道を暫く進む。途中、カラマツ林に変わると霧氷の付き方も違うので、変化が楽しめ飽きることがない。やや登りがきつくなってくると、もうすぐ頂上に出る。縞枯山は展望のきく山頂ではなく、シラビソが立枯れた100mくらいの尾根が続く。しかしその景観は幻想的そのものであり、いつの季節に訪れても感動する私のお気に入りの場所である。木々の間から周囲の霧氷に覆われた美しき山々が見られる。この日、山頂付近は晴れていたが流れの速い薄い雲も出ていた。太陽とこの流れる雲が作りだす陰影が、山々に写されさらに幻想的な景色を見せてくれたのである。

茶臼山から大石峠を目指して

縞枯山から茶臼山へは、一度下ってからまた登らなければならない。下る途中に岩場がありそこから丸山方面を展望できる場所がある。さらに下りて行くと五辻への分かれ道が現れる。久しぶりの登山で足の疲れてきたので、ここで無理せず五辻へ降りるか迷ってしまった。折角の天気に恵まれたのだからと、予定通り茶臼山にも登ることにし前進した。茶臼山も山頂は森の中で眺望はきかないが、展望台があるのでそこまで行ってみた。真近に見える八ヶ岳や眼下の車山方面が綺麗に見え、諦めず登って良かったと思い直したのである。

茶臼山から大石峠までは下る一方で、最初は斜度がきつい登山道を降りることになる。ここで、ネットで読んだ「尻ゼート」の話を思い出した。小さなビニールシートを持っていたので、それを尻に敷いて滑り降りてみると、見事に滑り降りることができるのである。暫く、尻ゼートなるそり遊びをしながら下山したが、斜度が緩くなるとさすが滑らなくなる。しかし、また歩き出すと直ぐに大石峠に着いた。尻ゼートで思わぬ時間短縮、体力温存ができたのである。

出逢いの辻から坪庭を目指して

大石峠から出逢いの辻、さらに五辻から坪庭にかけて、ほぼ標高は同じである。なのでここからは、登山と言うより森林浴を楽しむハイキングコースと言うルートになる。所どころに草原が広がり空間が突然開けた場所が現れる。今日は草原は一面の雪野原になっているので、霧氷も出来ていて普段見られないような素晴らしい景観が広がっていたのである。距離はあるが、平坦な道なのでさほど疲れることは無い。GPSで大体の自分の場所が分かるので、迷うことは無いが初めて来た場所なので自重して登山道を外さずに進んでいるとロープウェイが見えて来た。ほぼ予定通りで、念願のスノーシューによる本格的な雪山トレッキングの終了である。

この日は、新雪の後で且つ暖かい春の陽射しで、雪山トレッキングには最高の日であった。これでほぼ冬期のアクティビティーも終わりになるであろう。初めての極寒の地での越冬生活であるが、こんな素晴らしい雪山トレッキングを経験してしまうと、当分やめられそうにないと改めて思うのである。

全体を一つの動画に編集したタイムラプスを掲載しよう。撮影した写真の数も過去最高の1007枚、動画も約4分で過去最長の内容である。今回は、自分の姿も入れるなどこれまでの経験と反省を生かした文字通りの集大成映像である。是非、大画面モニターで音も出し、じっくり観て頂ければ幸いである。

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