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DIYによる石窯作り ~基本設計~

私が石窯を作ろうと思ったのは、昨年の夏、蓼科の北にある長門牧場レストランで食べたピザがキッカケである。長門牧場レストランはその真ん中に石窯を据え、オープンキッチンで注文が入ると都度目の前でピザを作ってくれる。私は味そのものより、牧場レストランの石窯で焼いたピザ、オープンキッチンで目の前で生地から作るピザ、と言う情景に興味を持った。それ以降、私の山荘にもDIYで石窯を作れないかと考える様になり、蓼科生活の新たなチャレンジが始まったのである。そこで数回に分けて、私のDIYによる石窯作りを紹介してゆく事にする。

石窯作りの調査
  • 窯の構造:一層式と二層式がある。一層式は薪を炊くのとピザを焼くのを一つの窯でやる。従って温度コントロールが難しく、ピザなど高温で短時間で焼くものが対象になる。二層式は薪を炊く窯とピザを焼く窯が上下に分かれている。従って、温度調節がし易く上窯に蓋を付ければパンなど長時間かけて焼き上げるものも扱える。つまり、ピザやパンだけでなく石窯料理全般を対象にできる。
  • 窯の形状:輻射熱の効率が良い順に言えば、ドーム型、カマボコ型、箱型の3種類がある。逆に製作のし易さはこの反対になる。特にドーム型はその形状に煉瓦を張るための砂型から作る必要があり、相当な手間がかかり経験が要る。カマボコ型も煉瓦を積むための型が必要だが、簡単な木工細工でできそうである。
  • 窯の土台:ピザなどを出し入れするので、窯を腰の高さくらいの台に乗せる必要がある。窯は耐火煉瓦なので相当な重量物であり、しっかりした土台が必要となる。石、ブロック、枕木などを土台として積んで嵩上げしたり、ブロックを積んで数十センチの高さの台を作る。
  • 窯の煙突:窯に蓋をする石窯料理の場合には、煙突は必須だがピザ窯だけの用途なら無くても構わない。但し、窯から数百度の熱風が出てくるので、火傷などに注意が必要である。従って、安全上の理由から煙突を設けてしっかり排熱処理をする方が好ましいと思われる。この事から、室内に窯を設置するなら煙突は必須と言える。
  • 窯の覆い:窯に用いる耐熱煉瓦は熱伝導率が高く蓄熱するので、窯の外壁もかなり高温になる。従って、放熱を押さえたり、安全上の観点から断熱性の高いもので窯全体を覆うのが望ましい。さらに、雨に濡れた状態では窯として使用できないため、雨よけを考える必要がある。使わない時はビニールシートで覆っておく運用でも構わないが、利便性が悪いので一般には簡易的な屋根を付けることが多い。
  • 窯の材質:一般に1200℃くらいの耐火性がある耐火煉瓦を用いる。窯の温度は数百度くらいに上がるので、普通の煉瓦では危険であり蓄熱し難い。煉瓦の目地や不定形な箇所のために、耐火セメントや耐火モルタルがあるのでこれを使用する。

 

私の基本設計

上記のような石窯づくりに必要な情報を収集し、私が考案したのが以下のような2層式・カマボコ型の石窯である。土台はブロックで作り、煙突も上窯の開口部近くに設ける。さらに、雨および雪よけ用の屋根も設置することにした。下の絵には無いが、恐らく窯の外側温度は200~300℃近くになると思われるので、一般の煉瓦や断熱材で覆うことにしている。また、そうすることで蓄熱効率を高められるので、色々な石窯料理がし易くなるのでは無いかと期待している。最初はピザ窯と思っていたが、ピザ以外にも利用できる本格的な石窯を作ることにした。

石窯の利点は遠赤外線であるが、薪を燃やすと言う極めて原始的な方法なので温度制御が難しい。制御の仕方は、燃やす薪の量、煙突のダンパー操作、窯の蓋の開閉で行う。あまり厳密な制御はできない分、各部位の温度計測が重要になる。窯の内部温度を計測するため一般的にはバイメタル式温度計を設置するが、私は赤外線式の非接触温度計を使用することにした。これで窯の内部だけでなく、レンガ自身の外側温度・内側温度や排熱温度など様々なものの計測が可能になる。

製作の大日程

晩秋に計画を始めたため、今年は何とか雪が降る前に土台作りまで行いたい。春になり降雪が無く晴天が続くようになれば、やっと石窯製作を始められるだろう。それまでに、どんな材料を、どれだけ、どこから、何時購入するかの計画を練っておかなければならない。石窯に煙突まで取り付けられたら一旦火入れを行い、ピザの試作をしてみたい。それに問題が無ければ最後の屋根部分の製作をする。屋根を何とかGWまでに完成させ、初のピザ・パーティーをGWに家族と楽しみたい。

残念ながら石窯の断熱処理は、実際に使用して外側温度や温度の調節具合を見てから判断することにしたい。何せ本格的な木工細工も、煉瓦積みや左官も初めてやることばかりである。できる限りお金をかけず何でも自分でやるDIY精神を発揮して、GW前完成にチャレンジしよう。これが私の大日程計画である。

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