BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

名残りの雪に春うらら

ここ蓼科でも、3月の終わり徐々に冬から春への変化が見え始めて来た。昨年は4月に入ると山梨方面へ桜の探索に出かけたりしていたが、今年は開花が遅れるどころか山荘周辺には名残りの雪がたっぷり残っている。下の写真を見ても分かるように、八ヶ岳の中腹にある我が山荘にも4月に入ってもこれくらい雪が残っていたのである。そのため暫く山荘を空けていた間に、「郵便屋さんが山荘周囲の雪を理由に配達してくれず、山荘宛の郵便物を二度にわたって差戻す」と言う珍事件まで起きたのである。それほど今年は雪が多い年であった。

残雪に埋まる高原の山荘前

下記のビデオは、4月4日にメルヘン街道から八ヶ岳方面を撮影したものである。森林限界より上の山頂付近が真っ白なのは勿論であるが、中腹のカラマツ林の中の雪も平野部から見えるほどたっぷり残っているのが分かる。

3月下旬に寒の戻りが強く、蓼科では30~40cmの降雪があった。日本全体でも桜の開花が各地で遅れるなど遅い春となっていた。早く春モードに切替えたいところだが、山荘の屋根から落ちた雪は1m以上も積もってしまっている。しかし、晴れると降り積もった雪に春の陽射しが注ぎ眩しく光るのである。そんな4月上旬の雲一つない青空が広がった日、スマホに送られてきた孫の入園式や入学式の写真を眺めながら、山荘周りを散策に出た。するとそこには、名残り雪に囲まれた山荘に春うららの光景が広がっていた。

ここは都会ではなく田舎なので、伊勢正三氏の詩の情景とは全く違うが、思い切れない思い、何か儚い情感が漂ってくる点では同じだと感じるのである。山荘でひとり生活する中、成長する孫や離れて暮らす家族への思いが自然に心に浮かんで来たのである。季節の変わり目と言うのは、多かれ少なかれ何がしかこのような心に響く情感を与えるものなのだと、改めて感じたのである。四季があると言う事は人を情緒豊か心豊かにする。このような人々に育まれてきたのが日本文化であり、世界中の人々の心に響き称賛され始めたのであろう。まさに四季は日本文化にとって大事な要素の一つであり、その移り変わりをいつも肌で感じられるのが蓼科生活の素晴らしいところである。

4月中旬を過ぎると、いよいよ信州に花の季節が訪れるのである。さあ、今度は桜や水仙を追いかけて春の写真を撮りに出かけようと、ワクワクしてくるのである。

昨年撮影の「残雪残る南アルプスと桜と水仙」

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