BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

温泉を愉しむ茅野市民

今年の冬の凍結トラブルで最も深刻だったのが、『冬の蓼科生活』にも記載したお風呂の排水の凍結である。しかし、そのお蔭で蓼科界隈の温泉事情にも少々詳しくなったと言うオマケ効果もあったのである。八ヶ岳はもともと火山帯で、高原地帯の峡谷に湧き出す温泉や、盆地に伏流水となって湧き出す温泉の二つのタイプがある。前者は、老舗有名旅館や山奥の秘湯などいわゆる温泉が売りの宿泊施設で、外湯で利用すると1000~1500円と名泉だがやや高い。後者は、地域の共同浴場としての意味合いが強く、400円~700円と銭湯感覚で利用し易い。

茅野市では福祉施策や活性化の一環として、7つの温泉施設を市営で運営するようになった。本稿では、私が最近利用した3つの共同浴場について紹介しよう。

山里の共同温泉 ~河童の湯~

3月上旬に山小屋のお風呂の排水が凍結した時、仕方なく茅野市営温泉の利用を考えた。そこで、買い物帰りにビーナスライン沿いの塩壺の湯に行って見た。ところが週末午後と言う時間帯が悪かったのか、駐車場は満車状態でつい入るのをためらってしまった。思った以上に人気がある。諦めて山小屋に戻る途中、河童の湯と言う看板を見付け行って見た。そこは茅野市直営ではないが湯川と言う集落の共同温泉で、茅野市営温泉の回数券も利用できる施設であった。鄙びた山里の銭湯であるが、列記としたアルカリ性単純泉の美肌効果高い温泉である。茅野市営施設に比べるとこじんまりして収容人数も少ないが、混みあってないので私にとっては利用し易い温泉であると感じた。駐車している車の半分以上は他府県ナンバーだったので、観光客や近くの別荘利用者も多いと思われる。

農村の憩いの場 ~縄文の湯~

縄文の湯は山小屋から最も近い茅野市営温泉で、農村地帯のど真ん中にある。ナトリウムー硫酸塩・塩化物・炭酸水素の泉質をもち、多くの効能がある。露天風呂やサウナのほか、宴会可能な大広間や食事処もあり、この地域の総合福祉センターとしての役割を担っている。また、温泉スタンドもあり20リッター10円で温泉購入ができる。

近くに縄文時代の尖石遺跡があり、歴史的にも太古の昔から人類の営みがあった場所である。また、三井の森などの別荘地帯や八ヶ岳の登山口に近く、車のナンバーも多彩で他府県ナンバーが約3割ほどはあった。訪れたのは日没後の夕食時だったが利用者も多く、地元住民だけでなく非定住者の人たちにも人気がある施設なのである。

茅野市営温泉の利用料金は市民400円、市民以外600円となっている。ここでいう市民とは在住者だけでなく、勤め先や別荘が茅野市内にあれば市民とされている。いわゆる茅野市の活性化に何がしか貢献している人たちを市民として扱ってくれており、私も市民として利用させて頂いたのである。

風光明媚な観光温泉 ~すずらんの湯~

すずらんの湯は風光明媚な白樺湖畔にあり、市民温泉と言うより観光温泉としての色彩が強い。行った日は平日と言うこともあり数組の高年者夫婦のみだったが、週末は観光客で満員になるようだ。冬期だとスキー客が温泉で疲れを癒しに訪れるようである。また週末はレストランもオープンしているので食事も取れる。別荘利用者や日帰り観光客にとっては、温泉と食事と一石二鳥の施設と言えよう。設備は基本的には他の市営温泉と変わらないが、露天風呂とサウナもある。露天風呂も冬期は屋根と窓が締められていたが、夏場は開放されると素晴らしい景色を見ながら温泉に浸れるのであろう。

ここは、どちらかと言うと観光用の意味合いが強く、利用料金も700円とやや高くなっている。但し、市営温泉施設の回数券も使えるので、市民にとっては他施設と同額で利用できる。山小屋からの距離も縄文の湯とほぼ変わらないので、私の最もお気に入りの温泉になったのである。白樺湖でのマラソン練習や、周辺の山登りや、スキーなどの後に利用する際には、絶好の場所にある。今後、利用頻度が最も多くなりそうである。

 

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