BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

蓼科に群生する花々の明暗

蓼科高原の周辺道路を走っていると、季節を知らせる花の群生に出会うことがある。夏本番を知らせてくれるのは、何と言ってもヒマワリである。時同じくして、ここ蓼科では同じ黄色の花を咲かせるオオハンゴンギクを道路沿いでよく見かける。梅雨に入る前には、道路沿いにフランスギクが群生しているのをよく見かけたのである。

特定外来生物とは

ヒマワリは人が植えたものだがオオハンゴンソウは外来種が野生化したものである。とりわけ日本の在来種に影響が強いと言う判断の下、駆除対象の特定外来生物に指定されている。同じ外来種で野生化したものでも、フランスギクは特定外来生物には指定されてないようだ。しかし、素人には良いものと悪いものの見分けが、なかなか付くものではない。ただ経験的に、フランスギクの方が群生と言えるほどではなく、ちょっと固まって咲いている程度なので、繁殖力には違いがありそうだと感じる。ただ、どちらも咲いている姿は綺麗で、見る人の心を和ませてくれる点では同じであると言える。

オオハンゴンソウとルドベキア

オオハンゴンソウは通称ルドベキアとも言われ、見るからに昨年植えたルドベキア・タカオの仲間であることが分かる。気になって調べて見た結果、特定外来生物に指定されているのはオオハンゴンソウ属のオオハンゴンソウだけであり、ルドベキアと一括りにすべきではないことが分かった。思わずほっと胸をなでおろしていたのである。何故なら、ルドベキア・タカオはわざわざお金を出して購入し、花壇鹿除けもして大事に育てているからである。特定外来生物であっては栽培できないので困る。

蓼科高原の周辺道路沿いには、何箇所かオオハンゴンソウが群生している場所がある。恐らく周囲に被害を与えてないか、何かの理由で防除されてないのであろう。かつて猛繁殖していたセイタカアワダチソウが、今では完全に姿を消してしまったように、オオハンゴンソウも何れ駆除されてしまうのであろう。雑草が生い茂るのに比べれば綺麗な花の群生で目を楽しませてくれるので、つい駆除せずこのまま放っておいて欲しいと思ってしまうのである。

秋を告げるコスモス

8月下旬に入るとコスモスが咲き始めた。最近では、コスモスも品種改良が進み、暑い夏にも咲くようになってきたと言われている。メルヘン街道を下った芹ケ沢の八ヶ岳を一望できる道路脇には、数百メートルに亘って2種類のコスモスが植えられている。一つは一般に良く見るオオハルシャギクと言うコスモスでピンク・白・赤など色とりどりの花を咲かせる。毎年種まきして育てるケースが多い。もう一つは、キバナコスモスでオレンジ色の花を咲かせ、暑さに強い多年草である。どちらも行政が植えているのではなく、ボランティアで植えられたもののようである。昨年は、両方とも綺麗に満開になったが、今年は理由は分からないがオオハルシャギクは生育が悪く無残な姿になっている。しかも昨年より1週間以上早く咲いているのではないかと思われる。今年は、梅雨が異常天候だったせいか、果物の花も早く開花しずぎ収穫に影響があるとの報道があった。同じコスモス属の花であるが、今のところ明暗がくっきり分かれてしまった。キバナコスモスは例年より早いが、満開のオレンジ色の花でメルヘン街道を行交う人々の目を楽しませてくれている。

白い花が埋め尽くす蕎麦畑

信州は昔から蕎麦を食す地域ではあったが、いつの間にかほとんどが輸入されていた。しかし、蕎麦ブームにあやかって蕎麦の栽培も盛んになり、何とか地産地消の信州を代表する食べ物になって来た。蕎麦の需要が増えたことから蕎麦の栽培面積も増え、ちょうど稲穂が実り始める夏の終わり頃、田んぼの3分の1くらいは蕎麦の白い花が咲いている。これまで一面緑色なので水田だと思っていたところが、突然白い花で埋め尽くされ初めて蕎麦畑だったと気づかされる。稲穂が実る姿は美しくもあるが、日本中どこにでもある光景だ。私には白い花が埋め尽くす蕎麦畑は新鮮で、これを見ると信州に居るんだなと実感する。やはり蕎麦の白い花は信州の晩夏の風物詩とも言えるであろう。

このように何気ない普段の生活の中にあって、群れなす花で季節感が味わえるとは、何と幸せなことか。辺り一面に溢れんばかりの花を見るたびに、蓼科でセカンドライフを始めて本当に良かったなと思うのである。

 

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