BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

夜明けのヤマネ騒動

9月2日の明け方、まだ薄暗い寝室でガサガサと突然音がし出し、ビックリして飛び起きてしまった。その音は虫が飛び跳ねる音にしては大きく、何かが駆け回っているような音だった。ふとカーテンの上部に目をやると、何やら小鳥が停まっているように見えた。しかし、飛ぶのではなくすばしっこく動くので、直ぐに小鳥でない事は分かった。電気を付けると、それは何と天然記念物に指定されている「ヤマネ」だった。

ヤマネ棲みつく?

今の山荘に住んで間もなく、蓼科ビレッジ内にヤマネが居ると言う話を聞き興味を持っていた。ネット検索で写真を調べたこともあり、おおよそどんな生き物かは想像できていた。しかしまさか寝ている時に現れるとは想像だにしていなかった。ところがヤマネが山荘に棲み付いていたと思われる兆候は、既に1ヶ月ほど前からあった。寝室とは別の客室に泊まった友人から、夜中に何かゴソゴソ音がしていたと聞かされていたのである。その後、私の寝室でもゴソゴソと言う音がしていた。白樺の枝が一部屋根に覆い被さっていたので、風で揺れて屋根に触って音がしたものと思い気にしていなかった。今思えば、ゴソゴソやガサガサと言う物音はヤマネに違いないと思われる。そうであるなら、この1ヶ月ほどヤマネが我が山荘に棲み付いていたことになる。

捕獲大作戦

ヤマネであると分かってから、何とか保護して屋外に出してあげようと捕獲大作戦が始まったのである。すばしこく動き回るので手でつかむのはちょっと難しい。ちょうどテーブルの上に大き目のビールグラスがあったので、それで捉えようとヤマネの進路を塞ぐが逃げられてしまう。何度かトライしている内に偶然ヤマネをビールグラスで捉えることに成功した。比較的短時間のうちに捕獲できたので、ヤマネを弱らせたり傷つけたりすることが無かったのは幸いであった。ビールグラスの下にプラスティックを差し込み、バルコニーのテーブルの上に持って行った。グラス越しに少し観察してみた。思ったより身体は小さく毛はフサフサしている。確かにネズミの同類かもしれないが、何とも可愛らしい動物である。全体はグレーだが、背中に一本黒い線が入っている。これが二ホンヤマネの特徴である。

ヤマネ解放

いよいよグラスを外してヤマネを解放してあげた。写真を撮ろうとするが、動きが素早くうまくピントが合わない。しばらくテーブルの上を動き回った後、バルコニーの床におり隙間からどこかへ行ってしまった。床板の隙間は1.5㎝だが難なくその隙間を行ったり来たりできるので、ちょっとした隙間があれば容易に屋根裏にも入り込めると思われる。またカーテンでも板でも垂直なものを上手に昇り降りできる。

ところがその日の夜、またしてもリビングのカーテンレールの上に現れた。今度もビールグラスで捕獲し外に逃がしてあげた。どうして家の中に入り込んだかは分からない。ただこの日はバルコニーでBBQをしたので、ガラス戸を開けていることも多かった。こうなると、天井裏に仲間がいるのかも知れないと心配したが、その後 ガサガサやゴソゴソの音がしないので恐らく森に帰ったと思われる。

この1ヶ月間、天然記念物にもなっているヤマネと共棲していたなんて信じ難いことである。しかしこれも自然豊かな蓼科生活ならではの事であり、ここでの生活をさらに楽しませてくれる様なヤマネ騒動であった。

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