BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

春まだ早い八ヶ岳山麓巡り

3月下旬になって八ヶ岳周辺に大雪が降った。これは南岸低気圧の影響なので、低気圧が抜けると春の兆しの暖かい太陽で直ぐに融けてゆく。そんな中、春の装いを求めて蓼科ビレッジから八ヶ岳アウトレットまで出かけた。この時期は、冬でもなく春でもなく観光には向いてないかもしれない。しかし、冬の澄んだ空気と春の暖かな陽光の中、実に綺麗な景色が見られるのである。アウトレットへゆく道すがら、名残り惜しい雪景色の八ヶ岳や甲斐駒ケ岳をカメラに収めて来たので紹介しよう。

シ―ニック・ドライブを楽しむ

八ヶ岳周辺の道路は、走っているだけで美しい景色が目に飛び込んでくる場所が多い。そこで私の好きなシ―ニック・ロードを二つ紹介する。

  1. 冬のメルヘン街道
  2. 八ヶ岳エコーライン

一つ目のメルヘン街道は、夏場は道路の両側の林に眺望が遮られるが、冬場は落葉した木々の間から南アルプスや中央アルプスが見通せる。夏しか通ったことが無い人には、この道路が走っている地形に改めて気付かされるだろう。特に晴れた日には、空の青さと山の白い頂きが際立ち美しい。3月になると、それに加え春の暖かい陽光が眩しく、堪えて来た冬の寒さから解き放たれる喜びが湧いてくる。

二つ目のエコーラインは、広域農道として八ヶ岳山麓の農地を貫くように作られた道路である。道路の両側に広がる広大な農地のお陰で、見通しが良く雄大な八ヶ岳や南アルプスの眺望が素晴しい。その美しさに、つい車を停めてシャッターを押したくなってくる。周辺には脇道となる農道が幾らでもあるので、そこに車を停めてゆっくり構図を選ぶのが良い。同じ八ヶ岳でも、エコーラインのどこで撮影するかによって、中心になる山が変わる。山の名前と多方面から見た山容を覚えると、写真を撮る面白さが倍増した気になれる。また、エコーラインは直線道路や谷を跨ぐ大きな陸橋も多く、シ―ニック・スポットには事欠かない。

私の定点観測地

私の山荘近くで良く写真を撮る定点観測地とでも言うべき場所が幾つかある。同じ場所の写真でも、天候や季節や時間により様々な顔を見せるので飽きることはない。また、眺めているだけで癒され心安らぐ場所でもある。今回、その中の次の2地点で撮影したので紹介する。

  1. 御射鹿池
  2. 横谷展望台

一つ目の御射鹿池は、東山魁夷の『緑響く』の絵で有名になり、ここ1・2年で多くの観光客が訪れるようになった。夏の緑深い季節以外にも、紅葉の頃や新雪の頃もそれぞれ趣がある。更に周囲の木々が夕陽に赤く染まるタイミングや、月明かりに浮かび上がる光景など時間的な変化も楽しめる。また、景色が綺麗に湖面に映り込むためには、湖面が波立たない風のない日が好ましい。しかしここも、新緑の頃までは閑散としているが、結構静かで落ち着いているので私には好都合である。

二つ目の横谷展望台は、私の山荘から最も近い展望台で、南アルプスから乗鞍まで見渡せる景勝地である。特に秋や春に信州の谷を埋め尽くす雲海は見応えがある。晴れた日は中央アルプスから乗鞍にかけての山の稜線に沈む夕陽も見られる。東や南の方向は、市街地の明かりが視界に入らないので、絶好の星空の撮影スポットでもある。夏には、南アルプスの稜線上から天頂に延びる天の川も肉眼ではっきりと見られる。次の写真はアウトレットに出かけた翌朝の写真で、朝起きたら私の山荘から雲海の一部が見られたので、展望台まで行って撮影したものである。

この時期に八ヶ岳周辺を訪れる人は少ないかもしれないが、『もうすぐ春ですね~♪』の歌が聞こえて来そうな移り変わる季節感が私は好きである。ちょうど近郊のスーパーでは、種芋や椎茸の原木を売り出し始める。4月に入れは桜はまだ開花しないが、野菜の苗が沢山売り出されるようになる。何と言っても訪れた土地の人々の生活感に触れられると、旅の面白さがより増すのではないかと思われる。

 

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