BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

大河原峠から始まる蓼科の紅葉

最低気温が5度を切り始めると紅葉が始まると言われている。従って標高の高い山から低い平野部に向かって紅葉は降りてゆく。ここ蓼科近郊では、10月初旬に標高2100mの白駒池湖畔が紅葉し観光客で賑わい出すと、いよいよ紅葉シーズン突入と言われる。しかし白駒池はもともとシラビソの森の中にあって、眺望は湖畔の一部に限られてしまうのである。それに比べ大河原峠は同じ標高2100mにあり、蓼科山の北側斜面でシラビソとダケカンバの混合林になっている。そこから伸びる蓼科スカイランからは、山側や谷側の緑と黄色や赤のパッチワークが15Kmに渡り眺望できるのである。

大河原峠から標高1700mの白樺高原まで、紅葉は徐々に降りてゆく。また、標高が低くなるに従って落葉樹の種類も量も増えて来る。まさに森全体が黄色や赤に色づき、その中を縫うように蓼科スカイラインが通っている。大河原峠と白樺高原では標高差が400m近くあるので、見ごろのピークは1週間くらいの違いがあると思われる。また、最初に紅葉する桜や白樺、中間のブナやミズナラ、最も遅いカラマツなど木の種類によってもピークが違ってくる。なので全体としては2~3週間くらい楽しめるのではないかと思われる。

 

この蓼科スカイラインが紅葉するという事は、標高1700mくらいまで紅葉が下りて来たと言うことになる。従って、ビーナスラインのすずらん峠周辺や、メルヘン街道の日向木場(ひなたこば)展望台周辺も同じように紅葉のピークを迎えることになる。一方、私の住む蓼科ビレッジは標高1200mから1700mのなだらかな高原にあり、さらに1週間遅れくらいで紅葉のピークが来る。しかし、木の種類で言えば、標高の高い山の上より高原の方が木の種類が多く殆どが落葉樹なので、紅葉としの見栄えがする。特に、蓼科高原は人工樹林が少なく人の手が入っていない自然のままの雑木林が多い。それだけに高い木・低い木、鮮やかな黄色・鮮やかな赤・褐色・緑(モミなどの常緑樹)など絵に描いたような素晴らしい紅葉が見られる。

紅葉して見て初めて高原には常緑樹が少ないことが分かる。長野県は里山に杉ではなくカラマツを植林したお陰で、カラマツの多い高原地帯は殆どの木が紅葉し落葉する。この景観は他県には少なく長野県の特徴なのではないか思われる。だから蓼科高原では紅葉が終わると全てが落葉し高原が透けて見えるのである。上記の最初の写真は、ミズナラの原生林の奥にまだ緑色のカラマツ林がある。これも1~2週間後には紅葉するので一面が褐色になる。

蓼科ビレッジ内も、あと数日もすればあっと言う間に色合いが変わり紅葉のピークが来る。この景観が突然変化して行く様には、なかなか口では言い表せない感動がある。恐らく体感した者でないと分からないかもしれない。

 

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