BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

待望の焼岳初登山と懐かしの上高地

5月末、待望の北アルプス・デビューを果たすことができた。今回は、天候を選んで1日延ばしたことが大正解であった。お蔭で、会社の同僚ご夫妻とも偶然会って旧交を温めるオマケまで付いてきた。何と幸運なことだろう。焼岳は標高では2444mで天狗岳より200mも低い山だが、その眺めはさすが北アルプスの一角を占めるだけあって、筆舌に尽くしがたい素晴らしいものであった。その魅力をタイムラプスを含む動画に仕上げたので、先ずはそれを紹介しその素晴らしさを後段で述べることにする。

先ず今回の焼岳登山をするに当たり、散々悩んだのはルートと日帰りできるかどうかであった。ルートはネット情報によると、上高地の田代橋から登る上高地ルート、岐阜県の中尾温泉から登る中尾高原ルート、それに安房峠の中の湯温泉から登る新中の湯ルートの3つある。さらに日帰りは難しいが西穂高からの縦走ルートもある。それぞれ一長一短あるが、自分の経験や体力から考え最短ルートの新中の湯ルートを基本とすることにした。しかし、せっかく上高地まで来て河童橋を見ずして帰るのももったいないので、新中の湯ルートで上り上高地ルートで下って河童橋までゆく計画とした。ところが、これが大正解であったと自分では思っている。

ファイル 2016-05-30 11 33 56カット

登山計画は、新中の湯登山口6:00出発、北峰山頂9:00着、田代橋12:00着とした。山頂での体力や天候を判断して、新中の湯へのピストンも代替ルートとすることにした。

山頂までの中間ポイントの広場までは樹林帯の登山道で、順調に標準時間で到着。いつもと違って、この日は日曜日なので多くのグループが新中の湯から登っており、心強く思いながら足を進めた。広場に到着すると、そこから焼岳の頂上や周りの山麓が見渡せ、しばし美しい景観に目を奪われる。これを過ぎると、徐々に北アルプスらしいガラ場や残雪の道に変わり、やや緊張しながら慎重に登ってゆく。下から見上げると南峰と北峰の稜線鞍部辺りまで、人が登ってゆくのが見える。この風景は初めての経験であり、さすが森林限界を超えた登山が当たり前の北アルプスを登っているんだとの実感が湧いてくるのである。それを登り切ると、現在は立入禁止になっている南峰のお釜や、北アルプスの山々の素晴らしい眺望が見られるのである。

さて、ここはまだ終点ではない。ここからが本日の最難関・北峰への岩登りが待っている。さすがにカメラを持ちながらでは危ないので、カメラをリュックに入れて両手をいつでも使える態勢で登り始めた。前を登っている人や、目印の白丸ペイントを見ながら安全ルートを探しながら進んで行った。両手で岩をしっかり掴まないと登れない場所があったが、これまで背より高い岩場を登った経験があったので怖くて足がすくむような場面はなかった。山頂にでると目の前に槍や穂高、眼下に上高地が見える文字通りの絶景が見えた。これが見られるから登山はやめられないと思う瞬間であった。一緒に登って来た別グループの若い女性のはしゃぎようからも、誰もがこの景色に感動するのは間違いない。今朝、登山口で偶然会った会社の同僚夫婦に山頂で追いつき、お互いの努力を認め合い記念写真を撮りあったのである。

山頂付近は硫黄の臭いがずっと立ち込めているので、長居は無用と撮影を終えたら直ぐ下山することにした。明確な指導標がないので少し下山ルートが分かり難くい。他の人がゆく後を同じようについてゆくと、焼岳小屋と書かれた岩があり、それが指導標であることが分かった。ここからは黄色のペイントで〇や矢印が記されていた。眼下に焼岳小屋の青色の屋根が見えるので、今日のような天候であれば迷うことはない。また今日は晴天なので、山頂で見たのと同じような穂高や上高地の素晴らしい景色を見ながら下山できる。これは上高地ルートの大きな魅力と言っても過言ではない。景色に見とれて足を滑らせ、挫いたり捻ったりしないよう注意して下る。それでも、2度ほど尻もちをついてしまうようなザレ場が続く急斜面であり、息を抜けない。20分ほど下ると緩やかにアップダウンする尾根道に辿り着き、やっと一安心したのである。予定通り焼岳小屋に到着したが、まだオープンしておらず記念の焼岳登山バッジを買うことができなかった。

焼岳小屋から先は、これまでの登山と大して変わりない樹林帯が続く。10分ほど下ると鎖が設置してある崖の斜面が出て来た。このような鎖を頼りに岩を降りるのは初めてである。ここでカメラをもう一度リュックにしまい、慎重におりて行った。しばらくすると、今度はほぼ垂直の梯子が2段連続して掛けてある崖が出て来た。勿論安全を期し、登る時の向きに身体を反転させ下りた。これは山小屋のロフトをよく上り下りしているので、ある意味では慣れたものである。このような多少リスクのある崖道は新中の湯ルートには無かった。この数か所の梯子を過ぎると、後は緩やかな樹林帯が1時間半ほど続く。それでも数時間・数キロ以上は歩いているので足が疲れており、登山口へ着くまでは気を緩めずひたすら歩くのみである。予定通りほぼ12時に田代橋の登山口に無事到着した。

ちょうどお昼なので、梓川沿いのベンチで持参したオニギリを頬張って昼食とした。いつも下山した時に味わう達成感が湧いてきて、自然と顔が緩んでしまう。後はのんびり景色を楽しみ写真を撮りながら、河童橋を目指して歩くことにした。私が初めて上高地に来たのは、中学2年生の林間学校の時である。その時目にした感動は今も変わらず、来るたびに味わうことができる。大正池から河童橋までは一般の観光客やハイカーで賑わっており、上高地は今なお人気が高く昔と変わらぬ雰囲気が漂っていたのである。昔と違うと言えば、外国人の姿が目に付くことである。しかし、ここは人種をたがわず心洗われる万人の癒しの場なのである。

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2 thoughts on “待望の焼岳初登山と懐かしの上高地

  1. てるみ

    こんばんは。
    日曜日は偶然の出会いにビックリしました。
    焼岳山頂からの展望は素晴らしかったですね!
    私は、登り始めの大きなブナやカンバの木々の生い茂っている辺りも、とても好きです。
    スライドショーも拝見しました。
    私たちは疲れ果てて大した写真も撮れなかったので、ありがたかったです。
    一緒に登れて嬉しかったです。

    1. tak23 Post author

      私もホントにびっくりしました。あんな偶然があるんですね。焼岳、良かったですね。また一緒に登りましょう‼︎

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