BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

御柱祭、その一体感とおもてなしの心

5月3日から5日にかけ、上社御柱祭の里曳きとクライマックスの御建柱が行われた。その中日、縁あって本宮前の桟敷席にご招待頂いたのである。滅多にない機会なので、孫も連れて里曳き見物に出かけてきた。そこはメデドコが目の前を通り手に届くような位置にあり、観覧には絶好の場所であった。曳行が始まると、孫も興奮し「よいさ~、よいさ~」の連発である。こんなにも見る人を引き付けるのは、何故だろうと私なりに考えてみたのである。

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里曳きとは『1か月前に木落とし、川越しの後、御柱屋敷に置かれていた御柱を、前宮と本宮に曳行し、各々の拝殿の4隅に建て替える行事』である。この祭りの華は、確かに御柱に乗ったり、木遣りを唄ったりする人たちかもしれない。しかし、祭りはこの人たちだけでは成り立たない。そこには沢山の老若男女がそれぞれの役割を、しっかりこなしていることを忘れてはならない。それらを繋いでいるのが、脈々と受け継がれてきた”おもてなし”と”感謝”の心であると思われるのである。

里曳きは、御柱が通る狭い参道周辺に諏訪大社の氏子たちが集まって、新しい御柱に建て替えられるのを見届けるのである。そのため参道沿いの家々は、曳行する氏子やそれを応援に見に来た氏子におもてなししたり、2階や庭先などありとあらゆる場所に桟敷を作って提供するのである。勿論、このおもてなしにはお酒や食事が付きものである。ある家では、このために6年かけて数十万円を貯め、自腹を切っておもてなしをするのである。このおもてなしを受けた人はその心意気に感謝し、今度は自分が色んな形で協力する。そのおもてなしと感謝の心がどんどん伝搬し、この地域にかけがえのない一体感をもたらすのである。

観る側もそれを肌で感じ、終には引き込まれいつの間にか「よいさ~、よいさ~」と氏子の気分で曳行を囃し立てている。桟敷席はその迫力を目の前で観られる最高の場所である。また、この桟敷席は地元に縁が無いとチャンスがない。そういう意味では、山小屋BFCに半移住したからこそ得られたものである。今回、山出しと里曳きを見て、この祭りこそが諏訪の人たちの一体感とおもてなしの心の原点であると実感したのである。こういう風習が残っていることこそが、日本の ”ふるさと” であると思えてならない。セカンドライフをこのような地域で過ごせているのは、私にとってこの上ない幸せであり感謝の気持ちに絶えないのである。

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最後に、大変残念ながら建御柱の祭に転落事故があり、氏子の方が1名亡くなられてしまった。そのご冥福を心より祈るとともに、さらなる諏訪の発展を願うばかりである。

 

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