BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

軽井沢との違い

アメリカ駐在より帰任してからは、家族の全員集合を貸別荘で行うようになった。これはアメリカでの経験が大きかった。家族が集まって全員が寝食を共にしようと思うと、大きめの別荘を借りるのが経済的でもあり、気兼ねなくワイワイガヤガヤできるので楽しい時間が過ごせる。私と次男家族が愛知県、長男が埼玉県と言う位置関係から、夏は長野で貸別荘を探すことが多かった。ちょうど軽井沢に手頃な物件があり、数回利用したことがある。

そこで軽井沢と蓼科を比較し、どちらが別荘地として適しているかの参考としたい。

地理的条件

何と言っても首都圏からの便利さで言えば、断然軽井沢が優れている。北陸新幹線や上信越自動車道もあり、車も電車もどちらも利用できる。しかし、東海地域から見れば、軽井沢はやや遠い。新幹線もなく、高速道路も長野道から大回りしなければならない。車で最短距離なら中央自動車道を岡谷ICで下り、新和田トンネルを抜け佐久経由で軽井沢へ行ける。しかし、残念ながら時間的な短縮にはならない。

蓼科は、どちらかと言うと首都圏にやや近いが、ほぼ東海地域との中間に位置すると考えてよいだろう。新幹線はないが、在来線でも特急で2時間強、車であれば3時間弱の位置にある。従って、首都圏からも東海地域からも地理的条件としては優れた場所にある。

言うなれば地理的に、軽井沢は首都圏の奥座敷だが、蓼科は首都圏かつ東海地域の奥座敷と言えよう。

標高

軽井沢の別荘地帯は、昔は旧軽井沢に集中していたが、現在は南軽井沢や北軽井沢、西は御代田町周辺まで広がっている。特に高原地帯と言うことではなく、どちらかと言うと軽井沢町全体が別荘地として利用されていると言えよう。従って、標高も1000m±100mといった所である。但し、北軽井沢はこれよりやや標高が高くなるので別の別荘地帯と考えた方がよいかも知れない。

蓼科の別荘地は八ヶ岳山麓線にあり、大きく高原地帯に位置するものと、里山に位置するものの2種類の別荘地帯があると考えられる。高原タイプは標高1500m±200m、里山タイプは1200m前後である。里山タイプは、ちょうど北軽井沢と同じくらいである。従って、蓼科は軽井沢に比べてかなり標高が高いのが特徴である。各々、一長一短があるので一概にどちらが良いと言うものではなく、利用目的によるものである。ちなみに、軽井沢と同じ標高なのが原村役場がある周辺であり、蓼科がやはり高い位置にあることが分かる。

気候

軽井沢は避暑地として開発されただけあり、首都圏に比べれば夏は涼しい。ただこれは大きな樹木に囲まれているからであり、樹木がない地域はエアコンが必要になる。また日本海に近く比較的雨や雪が多いので、湿気が多いと言うのがデメリットと言える。実際に、友人が所有している別荘では24時間除湿機を動かしていた。それをしないと、別荘内がジメジメして困るとのことであった。

蓼科は標高が高いこともあって、夏でもエアコン要らずで過ごせる。また、諏訪地方は内陸性気候であり晴天率が高い地域である。これが寒天作りに適していると言われる由縁である。従って、夏はカラッとしていて涼しく、これこそ真の避暑地と言えよう。問題は冬場である。酷い時はマイナス20度にもなる厳寒の地である。最低気温は平均的にはマイナス10±5度と考えれば良いであろう。春から秋にかけてだけの利用なら全く問題ない。定住するには、それだけの覚悟が必要である。

買い物の利便性

軽井沢は元々が町と一体になった別荘地なので、利便性は全く問題ないであろう。ただ、観光地でもあり、週末や連休時の道路事情は良くない。

蓼科は茅野市中心街まで車で30分なので、車が必須条件とすれば利便性はそれほど悪くはない。流通大手の大型店は殆どが進出している。スーパーも車で15分のところにJAがあり日常の買い物もさほど苦にはならない。また、ネットで購入すれば、都会と全く遜色なく宅配されるので便利である。むしろ地理的には関東・甲信地方として関東圏の扱いをされることがしばしばで、東海地域よりも送料無料になるケースが多いと思われる。道路事情も地元ならではの抜け道があるので、連休の時でも困ることはない。