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私の気まま旅5 ~ 東北巡り(八戸・弘前編)~

私の気まま旅第5弾は、東北巡りである。これまで東北は数少ない旅行先で、夫婦旅行では角館~田沢湖~十和田湖~八甲田山へ秋の紅葉シーズンに出かけただけであった。今回は名古屋からJALマイレージで利用できる花巻空港へ行き、そこからレンタカーで東北北部を巡ることにした。そこで走行距離と訪問場所を勘案し、八戸・弘前・秋田に宿を取り順に巡ってきた。その旅程を下記に示すが、私の東北の気まま旅を前半と後半に分けて紹介しよう。

  • 1日目:(八戸)花巻空港→宮古→釜石→震災遺構→久慈・海女センター→八戸
  • 2日目:(弘前)八戸→青森・ねぶた→五所川原→高山稲荷→鶴の舞橋→弘前
  • 3日目:(秋田)弘前→弘前城→岩木山→鯵ヶ沢→十二湖→じゅんさいの館→秋田
  • 4日目:秋田→平泉・中尊寺→花巻空港
富士ドリームエアライン

小牧から花巻へはFDA(富士ドリームエアライン)が1日4便就航しており、全てJALとの共同運航である。そこでJALマイレージで小牧・花巻間の往復航空券を取得した。今回久しぶりに小牧空港を利用したが、今はFDAの主力空港となっており駐車場はターミナル前で料金も安く非常に便利になっていた。FDAはコミューター機ERJを有し、その全機種にそれぞれ異なるカラフルな塗装をしているので意外にファンが多い。長野県の松本空港もFDAを主力とする空港であるが、以前にその様子を「アルプスの見える信州まつもと空港」として紹介しているが、その時より路線拡大が図られニッチ路線のニーズを上手く拾い上げ発展していたのは嬉しかった。

花巻~八戸

小牧空港を早朝に出発し順調にいわて花巻空港に到着した。今回はニコニコレンタカーが近くになかったので、空港内にあるニッポンレンタカーでコンパクトカーを予約していた。いよいよ今日の宿泊地・八戸に向けての出発である。1日目は、東日本大震災の遺構や朝ドラ「あまちゃん」ゆかりの地を巡る旅である。東北にはまともな高速道路が少ない代わりに、単線かつ無料の高速道路実験線が多いのでレンタカーを使えばお金をかけず効率よく回れる。

一つ目の訪問先はは釜石の「いのちをつなぐ未来館」を目指したが、降りるICを間違えてしまい次のICが流入専用で降りられず、残念ながらパスすることにした。この実験線は素晴らしい道だが、山奥を走っているのでトンネルが多く景観は良くない。そこで、時間短縮の移動区間と景観を楽しみながらの移動区間を分けるなど、高速と下道をうまく使い分ける計画を最初から立てておくことが望ましいと感じた。

二つ目の訪問先は震災遺構「たろう観光ホテル」である。以前は立派な海の見える観光ホテルだったが、3・4階までが津波に飲み込まれた当時のまま残っていた。そのホテルの前には、ほぼ当時の津波の高さを超える巨大堤防が築かれていた。恐らく震災前の景観は微塵もないのだろうが、百数十段もある階段を上って堤防に立つと綺麗な三陸の海岸を目の当たりにすることができた。堤防下海側には魚を水揚げする魚市場らしき建物があり、堤防下陸側には漁業者用の広い作業場が設置されており丁度漁師さんたちが漁網の修繕をしていた。堤防を挟んでではあるが以前のような漁業の町の営みが戻って来ている様に感じた。

三つ目の訪問先はNHK朝ドラ「あまちゃん」で有名になった久慈市・小袖海岸である。小袖海女センター周辺がロケ地でもあり、ドラマの面影が少し残っている。鄙びた三陸海岸の一漁村を背景にしたドラマであったが、大震災の傷跡はあまりなく今も当時と変わらぬ静かな漁村のままである。宮古方面から車で入ると山越えの陸の孤島のような場所にある。久慈市方面へ抜ける道は部分的に車がすれ違えないような狭所もある海岸沿いの道だ。海が荒れると車の通行にも支障が出そうな場所である。今は山の中を走る高速道路が、こういった漁村と漁村を繋いでくれているので、点と点が線となって繋がり流通の便も格段に良くなっているのではと思われた。

青森~弘前

二日目は、八戸~青森~弘前の順で回った。八戸から青森までは途中まで高速道路ができているので、思いのほかスムーズに青森まで行けた。一つ目の訪問先棟方志功記念館である。棟方氏は青森市名誉市民の第一号で、記念館は彼の生き様と偉大さを後世に伝えてくれる素晴らしい展示をしていた。芸術に関心がある人は必ず訪れたい場所である。

二つ目の訪問先は制作中のねぶたが見学できる「ねぶたラッセランド」だ。ねぶたは数か月かけここで制作され8月の本番に備えると言う事になっている。ねぶた制作には大きなスペースが長い期間必要となるため、青森市が青い海公園に制作用テントを設置しねぶた制作工房を提供してくれる。これは各チームにとっても有難く観光客にも制作中のねぶたの見学機会が与えられるので一挙両得である。各制作工房の入り口にはチーム名が掲げられているが、意外にも町の名前は無く殆どが企業名や団体名だった。恐らく地域住民のお祭りと言うよりは、地元の企業・団体を行政が後押しする地域興しの活動になっているのだろう。制作工房の数も20以上あり、青森の政財界の熱の入れようが伝わってくる。

三つ目の訪問先は千本鳥居で有名になった高山稲荷神社である。津軽半島の西側で日本海に面す高台にあり、五穀豊穣、海上安全、商売繁盛の神様だ。北海道各地からも奉納されており北国の中心的神社と言った様子だった。一見、鄙びた田舎に突然立派な本殿や社屋や鳥居が現れるので、意外な感動がある。しかも京都の伏見稲荷より鳥居の数は多いらしく、外国観光客にもSNSで有名になった人気スポットである。鳥居奉納は今年初めに予定数量の奉納があり、現在は受付終了になっていた。境内も広く静寂な森に囲まれた高台にあり、まさに北国を代表する神秘的パワースポットと言えよう。

4つ目の訪問先鶴の舞橋である。これは日本一長い三連太鼓橋との事だが、津軽富士見湖に掛かるその姿は美しく人気のスポットである。背後にそびえる雄大な津軽富士・岩木山との景観は絶景であり旅情を誘われる。もともと丹頂鶴の飛来地であり、その姿を模した木造太鼓橋のスケールは大きく美しい景観美を提供してくれる。時期的に鶴が見られなかったのは残念であるが、冬の雪景色の中での鶴の舞橋と丹頂鶴をもう一度見に来てみたいと想像を掻き立てられる場所であった。

二日目は順調に旅程をこなせたが、弘前の旅館に着くとやや歩き疲れていたので街の散策は翌日することにした。この二日間の東北北部の旅は、初めて訪れるところばかりであり思った以上に楽しむことができた。また、旅行の一つの楽しみでもあるご当地グルメも、八戸の居酒屋BON、弘前の居酒屋夢地ともにこじんまりとしたご夫婦経営のお店であった。出てくるもの全てが美味しく感じ、人情味溢れる居心地の良さは旅人であるが故に感じたものかもしれない。つい中村八大さんの「遠くへ行きたい」を口遊みたくなってしまった。(前半終わり)

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