BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

私の気まま旅 ~ 古(いにしえ)の奈良の都 ~

4月になりTVに桜満開のニュースが多くなり、久しぶりにどこかへ桜を見に出かけたと思うようになった。出来れば観光しながら桜も見れる手頃な所と思いあぐねていた時、奈良在中の人が趣ある奈良の写真をSNSに載せていたのが目にとまった。まだ桜が見られる時期だと分かり、思い付くや否や旅行計画を作っていた。私はこのように突然気の向くままの旅に出かける事が時々ある。蓼科生活とは離れてこんな気まま旅についても、今後はここに寄稿して行こうと思う。今回はその第一弾「春爛漫の奈良」として紹介しよう。

古(いにしえ)の奈良巡り

奈良は中学の修学旅行以来とは言わないが、京都に比べ格段に訪れる機会が少なかった。ここ20年くらいでは明日香坐神社の子宝祈願だけであった。まともに奈良市街地を訪れるのは何年ぶりだろうと思い出そうとしたが思い出せなかった。そこで今回の奈良探訪は、修学旅行ならぬ古(いにしえ)の奈良の都を訪ねることにした。そこで1泊2日の短い旅だが、車で名古屋から新名神高速と名阪国道を使えば約2時間奈良まで行ける。1日目は主に奈良郊外、法隆寺・薬師寺・唐招提寺、2日目は奈良市中心、興福寺・東大寺・奈良公園を巡ることにした。これぞ奈良と言わんばかりの場所だが、たっぷり古の奈良の都の雰囲気が味わおうという計画であった。

1日目:奈良市郊外

初日のメインは法隆寺、最初に向かった場所だが着いて見ると思いのほか人が少なかった。コロナ禍と春休み直後の平日と言う事なのか、外国人は勿論のこと日本人も疎らで少し寂しい気もするが、ゆっくり観ることができ古の都を感じられ好都合だった。数種類の桜があったのか葉桜になったもの満開のもの様々あり、春の日本らしい風景があちらこちらで見られた。中学時代の印象は五重塔と玉虫厨子と夢殿である。今回の印象は境内が広いと言う事と大宝蔵院が見易く再整備されていたと言うことである。中でも玉虫厨子は修学旅行の思い出、百済観音はその綺麗な立ち姿が印象に残った。

法隆寺の次は薬師寺を訪れたが、法隆寺以上に人が少なく閑散としていた。奈良市内とは言え西の外れにあり、周囲は住宅と農地が半々くらいの田舎にある。この当りが京都のお寺との違いで鄙びたお寺のイメージが古の都を感じさせてくれる。今回は五重塔や金堂など建物外観写真を沢山撮った、と言うより仏像を初めとする内部の展示品撮影がどこも禁止されているので止むを得なかった。撮影禁止の理由は色々あるだろうが、記録に収めたい写真マニアとしては少々残念でならない。

2日目:奈良公園周辺

2日目のメインは興福寺と東大寺、そんなに離れてないので中間に駐車し一帯を歩いて周ることにした。最初の興福寺では、五重塔が一部修理中、中金堂が建設中、結局のところ見どころは国宝館だけと言う感じになった。但し、この国宝館は良く出来ていて観覧し易く展示されているだけでなく、千手観音菩薩立像や八部衆の一人の阿修羅像を始め沢山の国宝が一堂に集められており必見である。またちょうどこの日は灌仏会つまりお釈迦様の誕生日で、お釈迦様の像に甘茶をかける儀式が南円堂前で行われるとの事。

灌仏会は次に行った東大寺の大仏殿前でも行われており、誰でも自由参加できた。大仏殿は修学旅行の時のイメージと同じ、建物も仏像もスケールが大きく見る人を圧倒してくれる。この大仏殿内は写真撮影OKであり、多方面から大仏の写真を撮らせてもらった。

また大仏殿の直ぐ北にある正倉院に行って見たら、たまたまなのか平日は外構が見られるようになっていた。行って見ると修学旅行時の記憶より建物が大きく感じ、こんなにも巨大な校倉作りだったのかと少し驚いた。

東大寺門前のお店で昼食を取った後、天気は快晴で暖かかったので若草山に車で登ることにした。ドライブウェイは観光バスも通れる幅があり、10分足らずで山頂に着く。山頂の桜も満開でその眺望は素晴らしく、奈良の平野が見下ろせ市内の向こうには生駒山も見えた。車でなく下からハイキングで歩いて登る道も整備されていた。

おわりに

1泊2日の小旅行だったが、中学時代の修学旅行を思い出しながらゆっくりと古の奈良の都を見学でき満足が行く旅ができた。旅の面白さの一つは美味しい食事に有りつくことでである。私は努めてホテルや旅館の食事ではなく、その町の美味しいものを食べさせてくれるお店を探すようにしている。今回も夫婦二人で営む小さな創作料理のお店COO DINNINGを見つけた。イタリアンがベースだが、何を食べても美味しくて安い。古の奈良にある洋食店だが、奈良と言う土地に良く馴染んだお店だった。それはオーナーご夫婦の人柄がそう感じさせるのかもしれない。歴史は神社仏閣などの建物だけでなく、その土地に住む人々や慣習に脈々と受け継がれるものだと、改めて感じた次第である。

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