BloomField Club ( Close Encounters of Healing )

初夏の車山トレッキング

6月下旬ともなると梅雨も本番で、九州や中国地方など西日本は豪雨被害が拡大しているが、幸いにも信州は雨は多くない。しかしスッキリしない天気は相変わらず続いていた。そんな中で雲一つない快晴になるとの天気予報が出されたのである。待ってましたと登山をしようかと考えたが天候急変にも対応し易い車山トレッキングをすることにした。但し、車山肩を出発し八島湿原や蝶々深山を回り、最後に車山山頂経由で車山肩に戻り「ぐるり1周」をすることにした。距離にすると約12Kmで通常の日帰り登山8Kmの1.5倍の走行距離である。アップダウンが少ない分疲労度も少なくスピードも速く歩けるだろうと想定して計画したのである。

朝8時半ごろ車山肩に着くと、平日なのに既に数十台の車が駐車していた。誰もが同じ考えで、梅雨の合間の快晴を逃すもんかと言わんばかりに、沢山のハイカーが集まってきたのである。やはり車山は人気がある。参考に、先ずは実際に歩いたルートマップを掲載しておこう。

ルートマップ

車山肩から車山湿原へ

車山肩からコロボックルの裏手に湿原へ下りて行く登山道がある。そこを湿原の東端まで進み、そこから蝶々深山方面に進み、途中で左に折れるとぐるっと湿原を一周できる。湿原のあちらこちらのレンゲツツジは満開は過ぎたものの、まだ綺麗に咲いており群生する場所では見ごたえがある。八千穂高原の白樺林と異なり、広々とした草原の緑と真っ青な空にレンゲツツジの朱色がアクセントを付けている。温かい太陽の日を浴びながら暫く湿原の癒しの空間を楽しんでいた。湿原を良く観察すると、小鳥が低い草木を囀りながら飛び回っていたり、白や黄色の蝶々が飛んでいたりするのが分かる。実にのどかな見ていて飽きない場所である。

沢渡から八島湿原へ

車山湿原をあとに沢渡方面へ進むと、湿原から樹林帯へと変わる。この冬のスノートレッキングの時、ちょうどこの辺りでトレースが消え新雪の中を歩いてスノーシューを壊した場所である。沢渡から八島湿原には車も通れる道があるので、楽に歩くことができる。ヒュッテみさやまを過ぎると木道が出てくるので、八島湿原が近いことが分かる。湿原は鹿から草花を守るためぐるっと冊がしてある。鹿除け冊の扉をしっかり閉めて、いよいよ湿原地帯に入った。この中は、全域木道が整備され非常に歩き易くなっている。また人が多いので、簡単にすれ違えられるよう2本の木道が並行に設置されている。すれ違う人々も、3分の1は一般観光客、3分の1半分はカメラを趣味とする人、残りがハイカーです。今回、初めて八島湿原を1周したが、小さく分割された池が沢山あることを知ったのである。やはり、湿原と池と山と空が織りなす風光明媚な心地よい場所である。欲言えば、もう少しベンチなど小休憩できる場所があると良い。

物見石から蝶々深山へ

ここからは初めて登る山である。八島湿原から登る途中、小学生の団体に出会った。その数は百人くらいであろうか。さらにゆくと高齢のハイカーグループと何組かすれ違った。狭い道なので、こちらが先に譲って「コンチワー!」と声かけると、ひとり一人が「ありがとう!」と気持ちよい返事を返してくれる。こんなちょっとした人と人との触れ合いが何とも嬉しく且つ爽やかな気持ちになれる。物見石には大きな岩があるが、良く見ると人の顔にも見えて面白い。お昼時なので、昼食を取っているグループがいた。ここから蝶々深山までは、なだらかではあるが少し下ってまた登る。この辺りは殆ど木が無く、大草原の丘陵地帯が広がっている。ここで乗馬でもできたら最高だろうなと思える場所である。山と言うよりどちらかと言うと丘のイメージである。大草原を登り切ると蝶々深山の山頂に出る。12時を過ぎていたので、今日はここで昼食を取ることにした。来た道を振り返ってオニギリを頬張っていると、早朝は雲一つない晴天だったのが、いつの間にか入道雲のような夏の雲が湧きあがって来ていた。やはり山の天気は変わり易い。山頂から南側を眺めると、朝通った車山湿原を見下ろすことができる。湿原全体と曲がりくねりながら車山山頂まで続く登山道が見渡せる。車山には、こんな絵になる風景があちらこちらにあって、本当に嬉しい気分になれるのである。

車山山頂へ

車山山頂には何度も登った。また、ランドマークの気象レーダーは毎日のように目にしている。しかし、ここまで来たら車山神社にお参りしない手は無いだろう。今年は御柱祭の年なので、秋にはこの山頂の御柱も建て替えられる。その時には是非来てみたいものである。一つ残念だったのが富士山が見えなかったことである。朝は見えていたが、午後になって雲が出て来たので見えなくなってしまった。その代わり八ヶ岳上空に雲は出ているが、山容は綺麗な姿を見せてくれている。最後にその様子をタイムラプスで撮って、今日の撮影を終えることにしたのである。

久々の車山であったが、1周したのは今回初めてである。車山は色々な表情があってそれぞれに楽しめる飽きない場所である。走行距離は12.4Km、時間は5時間57分で廻ることができた。本格的な登山ではないが、初心者や子供、高齢者でも十分楽しめて、ちょうど心地よい疲労感も味わえるコースである。何と言っても変化に富んだ湿原と高原の織りなす大パノラマは一見する価値が十分ある。やはり、ここは車で走り抜けるだけでは勿体ない。自分の足で歩いて見て回ってこそ価値ある場所だと、改めて思ったのである。その感動を少しでも伝えようと思い創作した動画を最後に掲載することにしよう。

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